不適切保育を防ぐために園内研修でできること|3つの対話ワークで子どもへの関わりとチームの保育を見つめ直す

研修の様子
不適切保育防止・園内研修

不適切保育を防ぐために、園内研修で何を話し合えばよいのでしょうか。 「子どもの気持ちを大切にしたい」という思いを、 日々の言葉かけや行動につなげるには、 職員同士で具体的な場面を振り返る時間が大切です。

「子どもを急かしてしまい、あとから気になった」
「同僚の関わりに違和感があったけれど、伝え方に迷った」

そんな経験を、一人で抱えている方もいるかもしれません。

この記事では、不適切保育の防止に向けて園内で共有したい視点と、 ぎゅぎゅっとハッピーが研修で大切にしている 3つの対話ワークをご紹介します。 園長・主任・研修担当者の方も、 日々の保育を見つめ直したい方も、園内での学びにお役立てください。

不適切保育防止研修で講師とともに学ぶ保育者の様子
職員同士で学び合い、日々の保育を見つめ直す時間を大切にしています。

不適切保育を防ぐために、園内研修で共有したいこと

不適切保育の防止に取り組む際は、まず、 子どもの権利や虐待防止に関する基本的な知識を 職員全体で確認する必要があります。

そのうえで、自分たちの園の具体的な場面に目を向けてみましょう。

例えば、着替えが進まないとき、食事に時間がかかるとき、 活動の切り替えが難しいとき。 同じ場面でも、職員によって子どもの姿の捉え方や、 選ぶ言葉が異なることがあります。

「そのとき、子どもは何を伝えようとしていたのか」

「大人は、何を急いでいたのか」

「ほかに、どんな関わりが考えられるか」

こうした問いを通して、子どもの立場から関わりを見つめ直します。

なお、この記事で紹介するワークは、 日常の関わりを振り返るためのものです。 個別の行為が虐待に該当するかを、 参加者の話し合いや多数決で判断するものではありません。

不適切保育への小さな気づきを、話せる園に

「気になるけれど、言い出しにくい」

この気持ちには、さまざまな背景があります。

先輩との関係が気になることもあれば、 自分の見方に自信が持てないこともあるでしょう。 「批判していると思われたくない」と、 言葉を飲み込む場合もあります。

園内研修では、職員が自分の迷いを話せる進め方を 大切にしたいと考えています。

例えば、「どうしてそんな言い方をしたの?」と理由を問い詰める前に、 見聞きした事実と自分の受け止めを分けて伝えます。

「着替えの場面で、子どもが顔を伏せていたのが気になりました。 どんな様子だったか、一緒に振り返ってもいいですか」

これは、日常の保育を振り返る際の伝え方の一例です。 話し合うときには、子どもの様子、 職員が捉えていた状況、必要だった支援を 順番に確かめていきます。

園長や主任が自分の迷いも言葉にすることで、 「困ったときは相談してよい」という姿勢を示すこともできます。

園内研修で日々の保育についてグループで話し合う職員
仲間の考えに耳を傾けながら、子どもへの関わりを考えます。

不適切保育防止の園内研修で行う3つの対話ワーク

ぎゅぎゅっとハッピーでは、 子どもの気持ちに目を向け、 チームで大切にしたい保育を考えるために、 3つの対話ワークを行っています。

「気づく」「描く」「動く」の順番で、 振り返りを明日からの実践につなげていきます。

STEP 01|気づく

胸が痛んだかかわりワーク

最初は、子どもの頃や保育現場で、 見たり、聞いたり、体験したりした 「胸が痛んだ言葉やかかわり」を振り返ります。

そのときの場面を思い浮かべながら、 次のような問いを考えます。

  • 子どもは、どんな気持ちだったのだろう
  • どんな言葉や対応を求めていたのだろう
  • その経験から、今の保育に生かせることはあるだろうか

仲間の話を聴くと、 自分では気づかなかった受け止め方に触れることがあります。

経験を話すことは強制しません。 話さずに考える、架空の事例を使うなど、 参加者が選べる形にします。 個人や子どもが特定される情報も共有しないよう配慮します。

STEP 02|描く

心地よさってなんだろう?ワーク

次に、 「大人も子どもも心地よい保育って、どんな保育?」 と問いかけます。

「子どもが落ち着いている」という言葉が出たら、 もう一歩具体的に考えてみましょう。

静かにしているけれど、 言いたいことを我慢していないでしょうか。 大人の予定どおりに動いているけれど、 自分で選ぶ機会はあるでしょうか。

例えば、次のような姿が挙げられます。

  • 「いやだ」「手伝って」と伝えられる
  • 自分の気持ちに耳を傾けてもらえる
  • 自分でやってみる時間がある
  • 困ったときに頼れる大人がいる

同時に、保育者が困ったときに助けを求められることや、 一人で対応を抱え込まないことも考えます。

大人と子ども、それぞれの姿を具体的に挙げながら、 チームで大切にしたい保育を言葉にしていきます。

STEP 03|動く

心地よい保育 具体化ワーク

最後は、話し合った内容を、 実際の場面でできる行動に変えていきます。

「子どもの気持ちを尊重する」という思いを共有できても、 具体的な行動のイメージは 職員によって違うかもしれません。

例えば、着替えが進まない場面なら、 次のような関わりを考えます。

  • 急かす前に、何に困っているのか確かめる
  • 「自分でやる? 一緒にやる?」と尋ねる
  • 子どもが取り組みやすいように、衣服の置き方を見直す
  • 対応が一人の職員に集中していたら、周りが手助けする

これらは一例であり、 どの子どもにも同じ対応を当てはめるものではありません。 年齢や発達、その日の姿を踏まえて考えることが大切です。

研修の最後には、 「明日から試してみること」を一つ選び、 いつ、どの場面で取り組むかまで決めてみましょう。

保育で大切にしたい関わりをワークシートに書き出す様子
話し合ったことを、明日からの言葉かけや行動に具体化します。

不適切保育防止の学びを、日々の実践につなげる進め方

園内研修で考えたことを続けていくには、 実践後の振り返りも予定に入れておくと 取り組みやすくなります。

研修前|話し合いたい場面を一つ選ぶ

「不適切保育について考えましょう」だけでは、 話題が広がりすぎることがあります。

食事、着替え、午睡、活動の切り替えなど、 園で振り返りたい場面を一つ選びましょう。 個人の責任を追及する場にせず、 関わりと環境、職員同士の連携を考える目的を共有します。

研修中|子どもの姿と、大人の関わりを具体的に話す

「よい保育だった」「余裕がなかった」という言葉だけで 終わらせず、何が起きていたかを確かめます。

「子どもは何と言っていたか」 「大人はどう応じたか」 「周囲はどんな状況だったか」を分けて考えると、 見直したい点を整理しやすくなります。

研修後|試した結果を持ち寄る

次の職員会議や短い打ち合わせで、 実践したことを共有します。

  • 子どもの反応に、どんな変化があったか
  • 試してみて、難しかったことは何か
  • 時間の使い方や役割分担に、見直せる点はあるか

うまくいったかどうかだけで評価せず、 次に何を調整するかを考えます。 個々の職員の努力に加え、 園全体で支えられることにも目を向けましょう。

不適切保育を防ぐために、チームで問い続ける

不適切保育の防止に向けた学びは、 一度研修を受けて終わるものではありません。

子どもの権利を学び、 日々の関わりを振り返り、 気づきや迷いを共有する。 そして、具体的な行動を試し、 子どもの姿をもとに考え直す。

その積み重ねを、 園の中に育てていきたいと考えています。

「私たちは、どんな保育を大切にしたい?」

職員みんなで、この問いに向き合う時間をつくってみませんか。

園・法人・自治体の皆さまへ

不適切保育防止研修のご相談

ぎゅぎゅっとハッピーでは、 3つの対話ワークを中心に、 目的や課題に合わせた不適切保育防止研修をご提案しています。

1園の職員を対象とした園内研修から、 複数園の法人合同研修、 自治体・保育士会の研修までご相談いただけます。

詳しい研修内容や実施実績は、下のページをご覧ください。

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